プロモメット®について

プロモメット®(Protection Molding Helmet)について

あかちゃんの頭の形は様々な要因で変形が起きます、向き癖による斜頭や短頭(絶壁あたま)などがその代表的なものです。以前は、このような頭の変形の治療方法は無く、成長にともなう自然緩和を期待していました。

しかし、重度な変形を残して成長させることは、その後の社会生活においてコンプレックスをもつことがあり、近年では、短期的には運動や言語発達が遅れるリスクが生じることがあると学術的に発表されています。

米国では20年ほど前からヘルメット治療が導入され効果をあげています。
近年日本でもその治療方法が導入され、弊社はその先駆けとして医師と共にアメリカで研修して技術を習得し、2011年より今日まで国立成育医療研究センターで約500症例以上の臨床経験を積んでまいりました。

プロモメット

当初は米国から輸入された医療機器ヘルメットを調整し、あかちゃんに最適な状態を維持できるようにお手伝いしてまいりました。
アメリカで製作されたヘルメットを調整し様々なことを感じ、それを自らが製作する国産ヘルメットに反映できないか考えるようになりました。

弊社がこの経験をもとに、「頭部の平坦部の減圧を目的」 とした頭蓋形状誘導ヘルメット(プロモメット®)を自社で製作・適合・調整できるようになりました。

プロモメット制作風景

赤ちゃんの頭の変形は、変形の種類や度合い、変形の大少は個人差が大きく、その形に応じてきめ細かく対応する必要があります。
例えば、上下に長い頭と前後に長い頭では、製作するヘルメットのデザインや構造を変えることで、治療がより効率的であるということが分かりました。

製作するヘルメットを装具扱いにすることで、頭の変形の違いによって、ヘルメットのデザインや材料の質や強度を変えて製作できます。

医師と緊密に連携してお子様一人ひとりに合わせた正にオーダーメイドのヘルメットを制作できます。

装具は医師の処方が必ず必要になります。
弊社のプロモメット®は国家資格を持った義肢装具士が製作し適合(調整)させるもので、赤ちゃんやご両親様にも安心してご使用いただけます。

特にヘルメット治療は、適合してからの調整が重要です。この調整は緩いからきつくするような単純な調整ではなく、時にはヘルメット本体から赤ちゃんの変形の変化に応じて細かな調整をすることで、ヘルメット治療の効率を高めます。

最後に、赤ちゃんの頭の形の変形で、ヘルメットを装着させた方が良いのかお悩みの保護者様には、先ず赤ちゃんの頭の変形が、病的(頭蓋縫合早期癒合症など)ではないことを確認する必要があります。

病的な変形は時には手術を必要とする場合もあるので、ご両親様で悩まず専門医に受診して頂き診断を受けてください。
その後、医師の判断に基づき、装着の必要性の有無や装着開始のタイミング等、治療方針が決定される流れとなります。

※プロモメットは赤ちゃん一人ひとりに完全オーダーメイドで製作するヘルメットです。
※プロモメットは一般市販品ではありません。
※プロモメットは保険医療での補装具とは異なり、健康保険による償還は受けられません。
※プロモメットは株式会社山口補装具の登録商標です。(登録6573206 )

プロモメット

プロモメットの特長

プロモメット

清潔を保てるように

プロモメットはいつでも清潔にご使用いただけるように素材を工夫しています。
ヘルメット本体を丸洗いすることもできるので汗が多くなる時期でも衛生的にご使用いただけます。

プロモメット

細かな調整ができます

プロモメットは2分割式のヘルメットです。
赤ちゃんの頭が成長するとともに、本体の大きさも調整することが可能です。
ヘルメット本体も調整を加えることができるので細かな変化にも対応できます。

プロモメット制作事例

弊社が制作したプロモメットをご紹介いたします。

プロモメットの作成をお考えの方へ

以下のどちらかの医療機関を受診し医師の診断を受けてください。
各医療機関によって受診方法が異なるので、病院ホームページでご確認ください。

→ 赤ちゃんのあたまのかたちクリニック
→ 国立成育医療研究センター

プロモメットを装着した赤ちゃんの保護者の方へ

頭をギュウギュウに締め付けて矯正するイメージは捨ててください。
基本的にプロモメットは治療が1つのヘルメットで完結するように大きめに設計されています。装着初期は回転防止のために、柔らかいスポンジで摩擦を増やすと同時に大きさを調整します。それでも2.5cm程度の回転(ずれ)は許容範囲です。

・取り付けたパッドは頭の成長とともに外します(医師の判断が必要です)。

・装着開始から約4週後位まではかなり緩い状態で使用しますので装着中の悩みも多い期間です。
朝起きるとヘルメットが回転して、時には脱げてしまうこともあります。

・ヘルメットに慣れなくて赤ちゃんが嫌がって夜泣きすることもあると思います。
お父さんお母さんも寝不足になるかもしれません。しかし、殆どのケースは4週を過ぎるとその様な悩みも少なくなり、安定した装着ができるようになります。

プロモメットを装着した赤ちゃん

洗浄お手入れについて

  • 洗浄するときは調節ネジを外して分割しないでください。
  • 洗浄するときは中性洗剤や石鹸を使い、水またはぬるま湯でお願いします。
  • 洗浄後は乾いたタオルなどで水分をよく拭き取ってください。
  • 濡れた状態で赤ちゃんに装着することはしないでください。
  • 汗でにおいがきついような時は消毒用アルコールで拭いてもかまいません。
  • クッション材を乾燥させるために、ヘアドライヤーなど高温になるものを使用しないでください。
  • クッションや本体パーツが熱によって変形することがあります。
プロモメットをお手入れしているところ